学生の頃に一度読んだ「エースをねらえ!」。
母が好きで文庫版が我が家の本棚にはあったし、その時も面白くて夢中になって読んだ作品。
最近急にコミック漫画を手でペラペラ捲りながら読むあの感覚が恋しい衝動がきて
(ずっと電子版で漫画を読んでいた)
本棚から引っ張り出して読んだ。
そして、びっくりした。
あまりの感動に、
咽び泣いた。
いや、ちょっと待って。こんなに凄まじい作品だったっけ?ってくらい深すぎる。
なにこれヤバい。少女漫画というカテゴリに収まりきらない深さすぎてヤバい。
テニスが主軸のお話ではあるけれど、これ全編通してほぼ愛と絆のお話じゃないか…
自己啓発本といっても過言ではないくらい、心の真ん中に響く要素があまりにも多すぎる。
物語の後半は本当に咽び泣きながら鼻水ダラダラ流しながら読みました…
すごく印象に残ったのが、主人公ひろみと恋仲の藤堂さんとの恋愛模様。
この二人の関係性、好きとか嫌いとか、そんじゃそこらの恋愛関係の次元の繋がり方じゃないんですよ。
儚いんですよ…好きだからこそ激情に任せて一緒にいるようにしないんですよ…相手と自分の為に…
だって結局最後までお互いに直接「好き」って一言も言ってない…
そんな言葉にすることもナンセンスに感じるくらい通じ合って唯一無二の二人。
そしてとにもかくにも藤堂さんがひろみに対して本当に献身的。
献身的な愛。
女性として選手として、何よりもひろみの為に、っていう愛情がすごい。
こんな風に想われてみてぇもんだよなぁ…(遠い目)
しっかしこんなに儚い男女の愛情関係の表現が、当時の週刊マーガレットで連載されてたかと思うと、読んでいた花ざかりの少女たちはどれだけこの二人を見て憧れたんだろうかとか。
そしてどれだけ現実世界で藤堂さんみたいな人を探しただろうかとか。
そして藤堂さんみたいな人はこの世にいないという事実に触れたんだろうかとか…
思っちゃうくらいですよこりゃ…
だって、こんな藤堂さんみたいな愛に溢れた人、いない…
テニス王国の西高のトッププレイヤーで、お顔もスタイルも素敵で
生徒会長も務めちゃうくらい頭脳明晰。
文武両道だけど、ユーモアもあって、喧嘩も強い。
いや、こんな人がおって好きにならん奴おるんかて…これ…
っていうくらい手の届かない存在の殿方でいらっしゃる。素敵。
最初は高校生らしい好意をひろみに向ける藤堂さんだけど
だんだんひろみに対して、見守って支えるポジションになってきて
こんなに、こんなに凄い選手であり素敵な人なのに、
大学生という若さで現役を退いてコーチになる決意をするんですよね。
そしてそれにショックを受けるひろみに対して、お蝶夫人が言うんです。
「今たしかに我が国には若い有能なコーチが必要です。絶対に!
ですからそのことも藤堂さんの決意の重大な要因です。
けれど、第一の理由ではない。
第一の理由はあなたです。
選手としての喜びや手応えよりも、あなたに寄り添い
あなたを支えぬくことのほうを選ばれたのですよ藤堂さんは。
なんという勇気でしょう!」
愛が( i _ i )深い
自分だけで得る喜びや達成感よりも、ひろみのパートナーとして
ひろみの身体も心もすべて大切に守っていこうと、大学生の藤堂さんは決意をするし、
またそんなことをこんなすごい人に思わせるだけの
素晴らしい選手であり、女性なんですよね、ひろみが。
2人で永遠に( i _ i )幸せになってくれ
ドラマとか漫画で、こんなに素敵な男の人がこの女性にそこまで心酔しちゃう理由が分からないってこと、正直あるんですよね。
この子の何が素敵でそこまで好きなんだろうっていう理由が
こっちに伝わってこないことって、ある。
だけどひろみに関しては読み進んでいけば魅了されるだけの説得力がある描写だらけなので、そりゃ藤堂さんもそれだけひろみを大切に思うだろうという
納得が自然にできるんです。
それくらいひろみは、愛くるしい女の子。
宗方コーチも言うんです。
「束縛できないほどかわいい」って。
( i _ i )<コーチ…深すぎ…
女っ気が全く無かった宗方にここまで言わせちゃうひろみ、罪な女の子…
本当に純粋で一生懸命なひろみ。
誰でも応援したくなっちゃうし、好きになっちゃう。
たくさんの人たちのたくさんの愛に囲まれて、支えられて大きく成長していくひろみ。
エースをねらえ!を見る前に、あることですごい落ち込んでしまっていたんですけど
読んだ後、めちゃくちゃ感動して、そして眠ってたパワーが蘇るような。
生き返らせてくれるような、そんな凄まじい力をくれた漫画でした。
漫画って時に、されど漫画だけど
自分の意識をぐるっと180度変えてくれるような、そんなすごい影響力を秘めていて
それを久しぶりにどかんと受けて、とっても満ち足りた気持ちになりました。
本当に、最高です。
エースをねらえ! ぜひ読んでください。
そして一緒に震えましょう。