とにかく好き!って言いたい星人

〜これが好き!ここがすごい!あれも素敵!と、とにかく言いたい星人の私〜

一生変わらないだろうと思っていた父の変化

私は実家に暮らしています。

両親と姉と私と一匹のわんこで、おじいちゃんが見つけてくれた小さなお家に5人暮らし。

 

でもそのお家が私にとっては心苦しくなる時がある。

大人が4人も集まれば、4通りの考えがあるわけで

その衝突に疲れてしまう。

お家なのに安心することができずに、気を遣う。

 

特に私は父に対しての劣等感が大きい。

亭主関白の頑固親父。世界が自分中心でないと気が済まない人。

 

小さい頃から厳しかった。笑っている姿はあまり思い出せない。

父が完全にルールブックだった。父の意見に背いたら怒られる。

しかも私じゃなくて母が怒られる。それが一番嫌だった。

だから父の怒りの琴線に触れないように常に気を張って

地雷を踏まないように父の顔色ばかり伺って行動するようになった。

父が会社から帰ってくるとお家がお家でなくなる。

緊張が始まるのである。自分のお家なのに。お家じゃないみたい。

 

 

父が会社から帰ってきたら必ず玄関まで行って出迎えをして

みんなで「お帰りなさい」を言わなきゃいけなかった。

 

父が定めたことだから、そのルールを守らないと愛してもらえないと思っていたから

子供なりに必死にその掟を破らないように守っていた。

それが正しいとか間違っているとか、そんなことは考えなかった。

 

一度だけ、小学校低学年の頃に

何かしていてお母さんたちと一緒に父のお迎えができなくて遅れて言いに行ったら

 

「お父さんにお帰りなさいを言うことよりも、お前に大事なことがあるのか」

 

と怒鳴られたことがある。

その時の私にとってはかなりのショックで傷ついてしまって

もう二度としないようにと心誓った出来事の一つである。

 

今の私だったら「うるせ〜!」と一蹴できるけれど

当時の子供の私にとってはこれからもきっと一生消えない父に与えられた傷の一つである。

 

その他にも父の理不尽な機嫌の波による怒りの雷をたくさん受けて育った私も32歳になって

自分の考えというものが生まれてきて

父から教育されてきたものと自分の考えとの擦り合わせを行なって精査して

色々取捨選択してきた。

 

歳を重ねていくにつれて

子供の頃自分にとって親の言うことは絶対に正しいと思っていたことが

正しいことではないと思うことが増えてきた。

 

一つ一つ、そう思うところは塗り替えていった。

 

 

父に自分の意見を言ったことがなかった。

言ったってどうせ無駄だと思っていたし、それを伝えるだけの気力も体力も愛情もなかった。

 

子供の頃は父の機嫌をとるようにいい子を演じたりしていたけれど

もうこの年齢になってくると

なるべく父とは関わりたくなくて喋ることも無くなった。避けるようになった。

 

そうやってもうこれ以上傷つきたくない、という守りを固めるしかなかった。

 

 

けれど昨年、あることがきっかけで初めて父と真っ向から衝突した。

 

「お前のためにこれだけやってやったのに、どうして俺に感謝しないんだ」

 

要約するとそんな父の意見だった。

感謝という自然に湧き出るものを強要されたことが私の癇に触った。

 

これまでに感じたことがないほどの怒りと虚しさと激情に駆られて

思っていることを全て父に吐き出した。

 

結局父と正反対の意見と考えを持つ私のいうことを

父はその時飲み込むことはできなかった。

けれど私は初めてその時父と衝突できたことで、わだかまりは残るものの

あって良かった出来事の一つだと捉えていた。

 

でも結局、私の中で父に対しての劣等感や苦手意識は変わらなかった。

 

 

 

 

そしてつい先ほど

朝ご飯を1人で食べていた私の元に父がやってきた。

 

「1分だけ話がしたい」

 

そう言われただけで、今度は何を言われるのだろうかと

血の気が引いて体がガクガク震えてくる。

 

まだ何も言われていないのに、条件反射で体が勝手にこうなってしまう。

でもそれを悟られないように、努めて冷静に返事をした。

 

「昨年君に言ったことや怒ってしまったりしたことを自分なりに考えて調べてみたんだけどあれはきっと更年期障害だったのだと思う。

お父さんは男にも更年期障害があるなんてことは知らなかったから驚いたんだけど、きっとそうだったんだと思う。

自分でもどうしてあんなことを言ったのか今考えても自分でもわからないんだ。

でもあの時の自分の気分の波やどうにも感情をセーブできない感じは今はもう全くないから

だから、きっとこれからはもうあんな風になったりしないから、どうか安心してほしい」

 

そう言われて「あーそうなんですかそれはしょうがないですね」の一言で片付けられるほど

私はそんなに優しくないぞ、と思いながらも

父からの予想だにしない言葉にひどく驚いた。

 

そして、私が思っていることも伝えた。

 

「それはわかった。けど、私は小さい頃からお父さんに言われて悲しかったり

どうしたってお父さんを恐いと思ってしまうことは今もまだ浄化ができていない。

そう言われて頭では分かっているし理解はできるけれど

心と体が追いついてくれない。

お父さんに嫌な態度を取ったり冷たくしたり私だってしたくないけれど

私にも気分の波があるしホルモンバランスもあるしそれによって

お父さんにひどい態度を取ってしまう。

けど、私は私で少しずつ時間をかけて過去のお父さんとのことも向き合って

自分のことを癒していくから、どうかただ何も言わずに見守って欲しい」

 

そう伝えた。

 

父はわかってくれた。

もう君も大人なんだし、君の人生なんだからもうお父さんは何も言わない。

ただ、君がそんなに小さい頃からお父さんのことをそんな風に恐がっていたなんて

ちっとも僕は知らなかった。

でももう許して欲しいとも思わない、ただ償いたいとは思っているけれど。

 

そう言ってくれた。

そして、

 

「お父さんにとって去年君が

 

『お父さんの言うことが必ずしも私にとって正しいこととは限らない』

 

と言ってくれたことが自分にとってすごく大きかった。

お父さんは自分の両親の言うことが絶対なんだってずっとそう思って生きてきたから

君にそう言われて、そういう考えもあるんだと驚いた。

それから自分で色々考えるようになった」

 

自分でも忘れていた言葉が出てきて驚いた。そういえば、そんなことを言った気がする。

 

「そういう風に言えるお父さんになれて良かったじゃんか」

 

そう言ったら、父は笑った。

 

それだけ言いたかったんだ、と言って

父が部屋から出ていった瞬間

涙が溢れて止まらなかった。

そして今も文字を打ちながら、涙と鼻水が止まらないのです。

 

あの頑固で自分が世界で一番正しいと思っていて

人の意見なんて聞く耳も持たなかった

あの恐かった父親が

 

こんなことを私に伝えてくれるように変化したことが

驚きと感動で、

あと少し安堵した気持ちとか

何かずっと自分の中で張り詰めていたものが少し力が抜けて緩んでいって

 

もうなんとも言葉にできない感情で

 

でもきっとこれは「うれしい」なんだろうなぁと思います。

 

そして今日を区切りにまた一つ新しく自分は前に進めるな、と思いました。

 

人ってなかなか変わらないから、

ましてや父なんて、一生変わることができない人なんだと勝手に思っていたから

 

その父がこんなに変化して成長しているのが、本当に感動だった。

 

そして今の父になるまで押し上げてくれたであろう

あの時言った私の言葉に

私自身が感謝の思いでいっぱいになった。

 

あの時、激昂して冷静になるのが難しい中で

あの言葉を伝えられて良かった。

そう伝えられる自分であれて、良かったなと思った。

 

そして、そういう言葉を言える自分になるには

数えきれない人たちの影響のおかげで私はそうなれたので

私にたくさんの経験と考えを与えてくれて

その時の私を創り上げてくれる助けをくれた人たちに

心から改めて本当に感謝した。

 

私という人間は私だけでは創り上げることはできないから

誰かがいないと私は出来上がらないので

 

そういう存在の人たちがいてくれて、本当に良かったと思った。

 

嗚咽になるくらい、泣けて泣けて、しょうがなかった。

 

 

私の周りにも、家族のことでトラウマを抱えていたり

過去にされたことがなかなか手放せなくて苦しんでいる人がいるので

 

こういったことをブログに書き起こしてしまうことで

気分を害されたりする方がいらっしゃったら

本当に申し訳ないなと思いつつも

 

今回のことはあまりにも私の人生の中でも

かなり大きな出来事の一つであることが確かで

 

そして「私は私で良かったな」とより思えることの

一つでもあって

 

小さい頃の愛されたくて頑張っていた私を

本当の意味で抱き締めてあげられるきっかけになった今日のことだったので

 

どうしても、今の私の思いや感情を残しておきたくて

投稿させてもらいました。

 

こういうことがあるから

生きてて良かったなぁって思えます。

 

向き合わなきゃいけないって分かってても

その部分を見つめるのが辛いし、否定したくても現状は変わらないし

もうどうにもできないって

毎日父とのことで辛い思いをしていたところだったので

 

本当に、天国にいるおじいちゃんと叔父ちゃんに

手合わせて「ありがとう、ありがとう…」ってたくさん伝えました。

「見守っててくれてありがとう〜!お父さんこんなに変わったよ〜!」って

たくさん伝えました。

 

父のことで本当にずっとずっと悩んで苦しくて辛かったけれど

もうコントロールしようとしないで

身を任せていたら

意外に向こうから歩み寄ってくれる結果となって

こんなことがあるんだ、と思いました。

 

憑き物でも落ちた気分です。

 

泣きすぎて、疲れたので

これからいい天気なのでお散歩に行ってきます。

 

今日はいつもと違って

さらに気持ちのいいお散歩ができそうで嬉しい気持ちでいっぱいです。

 

今日を「お父さんの嬉しい変化記念日」と勝手に制定しようと思います。

これから毎年笑って2/9を迎えられそうです。