とにかく好き!って言いたい星人

〜これが好き!ここがすごい!あれも素敵!と、とにかく言いたい星人の私〜

「毛虫のボロ」想像していた内容と真逆で衝撃のあまり呆然

ジブリパークのジブリの大倉庫内にある短編アニメーション上映館「オリオン座」にて

私がずっと見てみたかった宮﨑駿監督短編アニメーション作品「毛虫のボロ」が8月についに上映ということで

先日大苦手な酷暑の中、その鑑賞を目当てに久しぶりにジブリパークに行って来ました。

 

www.ghibli-museum.jp

↑これが毛虫のボロちゃんです。可愛い😊

 

こちらは宮﨑駿監督によるオリジナル短編アニメーションで2018年に三鷹の森ジブリ美術館での上映が開始されました。

 

私は

 

 

ドキュメンタリーで宮﨑監督の毛虫のボロ制作風景を見てから

この作品が見たくて見たくてしょうがありませんでした。

 

↑こちらのドキュメンタリー作品です😊

 

しかし限定上映されているジブリ美術館までは往復8時間の旅、長距離移動が苦手な私にはなかなか行きたくても行けないもどかしい気持ちを抱えて早数年。

この度ジブリパーク開設に伴い、ジブリの大倉庫内に作られた映画館でジブリ美術館限定上映された作品がこの作品が車で15分で行ける距離で見られることになり、

 

「待ってた、ずっと待ってた…!!」

 

という万感の思いさえある中で、ついに見ることができました。

 

可愛い可愛いボロ。

制作風景の中で見たボロは、自分が生まれた世界の中でそのキラキラした空気の粒や

葉っぱの葉脈からみょーんと出てくるわたあめのような光合成の粒を

おっきな瞳で見つめていて

 

私は勝手にそこから、そういった煌びやかで美しい世界の中でボロの冒険譚が始まっていくようなお話なのかなぁと単純に言うと可愛いお話を想像していたのですが。

 

全く違いました。そんな可愛いお話だけではありませんでした。

 

 

【※ここから内容のネタバレを含みます】

【※自衛されたい方は是非ともここでページをそっとお閉じください】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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そこに広がっていたのは、虫たちの生きるありのままの生死の世界。

 

油断しているとあっという間に食べられちゃう。そんな世界でした。

 

可愛いボロの他にも、スクリーンいっぱいに何十匹、何百匹という尋常じゃない数の毛虫たちがいっぱい出てくるのですが

 

みんなでむしゃむしゃ葉っぱを食べている中

カリウドバチが目をぎょろぎょろさせながらブーンとやってきます。

瞬間、その大きくて銀色に光るボディにビクビク震える毛虫たち。

 

その大量にいる毛虫ちゃんたちを見定めたあと、カリウドバチはそのお尻にある立派な針で毛虫ちゃんをぷっと刺して、自分の巣に2匹あっという間に連れ帰ってしまいます。

 

私、実は動物の食物連鎖というか

当たり前にある食うか食われるかの世界を目の当たりにするの、苦手なのです。

でもそれは立派な「生」であり、そんな世界の中で動物たちは美しく当たり前に生きているのに

私にとってその様子を目を逸らさずに見ることがなかなか難しい。

刺激が強いのです。

 

時々テレビで流れてくるアフリカとかでチーターがハイエナちゃん追いかけてる映像とか映っただけで「きゃ〜ごめんなさいませ〜😫」言うてチャンネル変えてしまうくらいには苦手。…。

 

なので今回の映像も「あ〜〜〜やめてぇ」って思いながらも

辛いけど、目を覆いたくなったけれど、なんとか瞳を閉じないように、スクリーンに映る映像を見ました。

 

でも、宮﨑監督のアニメーションの根底には生き物への愛情があるので。

私もその思いに目を逸らしたくない。

そんな気持ちで、なんとか見ることができました。

 

そうだよなぁ、こういう世界で私の足元にいるかどうかわからないくらいのちっちゃな可愛い毛虫ちゃんたちは生きてるんだよなぁ

私は日々自分がいつ殺されてしまうかなんて考えなくても生きてられる世界にのんびり暮らしているけれど

こういう世界が当たり前の中で彼らは暮らしているんだよなぁ

 

そして、そんな世界を15分のアニメーションにしてしまう宮﨑監督の凄まじさを改めて感じざるを得なかった黄金体験映画でした。すごい…本当にすごい…

虫たちの生と死も、遠慮なく描ぎ切る。一切疎かにしない。

 

しかし、冒頭から光合成する葉っぱの美しさ、空気の粒が角砂糖のようにボロの頭上にさんさんと降りしきる様子なんかは本当に美しくて美しくて。

宮﨑監督って毛虫になったことがあるのかな?と思うほど。

どうしてこんなに毛虫の目線で世界を描けるのですか?もう訳がわかりません…

 

そして葉っぱをたっくさん食べて毛虫たちがたっくさん💩をするシーンは

劇場内のたくさんの子供たちが一斉にケタケタ楽しそうに笑う声が響いて

「あぁ、いいなぁ」って…私もその可愛い子供たちの笑い声を聞いて心の底から嬉しくてマスクの下でにっこり笑ってしまいました。こういうの、本当に良い。

 

そしてそんな毛虫のボロちゃん。

最後には三輪車を漕ぐ女の子のスカートにピトッと飛ばされてくっついてしまって、その子と一緒にお家の中に入ることになるのですが

ボロに気付いた女の子のお母さんが、玄関口で花瓶に挿してあったお花の葉っぱを一つちぎると

ニコニコしながら優しくボロをつついて促して葉っぱに移動させてあげるんです。

 

そして女の子がマンションの2階から葉っぱごとボロを外に放してあげるんですが、これが本当に、本当に素晴らしくて、感動で涙が溢れてボロボロ泣けた。

(毛虫のボロだけにってか)(←🙂…シーン。)

 

私も昔は虫さんたちが苦手だった。

だけど宮﨑監督の作品や特にナウシカを見て「ダンゴムシさんって王蟲みたいで可愛い!」って思えるようになって

 

虫が苦手、とか、気持ち悪い、とかって

本当人間だけが言うおこがましくてやかましい感情だよなぁ、って思えて

そんな過去の自分にバイバイだ、と思って

 

それからは散歩して外で出会える虫たちを見る度に

 

てんとう虫のボディってこんなに煌びやかなんだなぁとか

トンボってあんなに薄くて壊れそうな羽で飛び回ってるんだなぁとか

蜘蛛って自分で雨にも風にも負けないお家作れるなんてカッケェ建築家だなぁとか

 

色々思うようになって、

 

少なからず以前よりは虫さんへの尊敬やただただ生きているその姿に「かっこいいなぁ」「こちとら雑念と変な欲望ばっかで生きててみっともないったらありゃしないよ」って自分を振り返るきっかけをもらえたりしていた貴重な生き物たちだったので

 

我が家へ入ってきてしまった虫さんを外へ逃してあげる、という行為も

そういう自分になってからたくさん重ねてきた私にとって

今回の毛虫のボロのラストシーンを通じて、もしかしたらそんな自分を肯定してもらえたような気がして嬉しくなってしまったのかもしれない。

 

同じ生き物だけど、全く違う生き物たちである私たちの

「生」への思いやり?なのか、なんなのか、でも優しさであることには変わりはない気がするこの行為への

 

なんか、やっぱりすごい素敵だよなぁ。と改めて

人が虫を野にかえす行為って、いいよなぁっと、心から思えてならなかった。

すごい素敵なラストだった。

 

宮﨑監督の作る、無遠慮に描かれた

強烈なまでの毛虫たちの生と死の世界。

本当に、すごい作品でした。

 

なので人によっては(集合体恐怖症の方など)は苦手と思われるような強いシーンが続くところもあるので

見る人を選ぶ作品ではあるかもしれません。

 

でも私がこのジブリパークのオリオン座で映画を見るときに

毎回「いいなあ」と思うことの一つに

 

上映前までキャッキャしてお話するのが止まらない子供たちが

お母さんに「静かにしなさい」って怒られるくらい喋ってた子供たちが

宮﨑監督の作品が始まると、一切誰も喋らなくなるのです笑

これが本当にいいんです。可愛いんです。

 

宮﨑作品は冒頭からグッと引き込まれる何かがあるので、きっと子供達、夢中でスクリーンにかじりついて見てるんでしょうね。

喋るのも忘れちゃってさっきまで喋ってたあの子もあの子も

結局最後まで一言も発しずに映画見終えたなぁと

上映後に思い出して、ふっと笑えてほんわか癒される時間が

私にとってはかなり至高の幸せタイムです😊

 

なのできっと今回の私が目を覆いたくなるような

目を逸らしたくなるような虫たちの死と隣り合わせの生きている世界も

子供たちの方がよっぽど平気でちゃんと捉えてまっすぐな瞳で見ているんだろうなぁと。

 

わからないけれど、勝手にそんなことを想像して

私はつまらない大人になったなあ、と

子供たちの純粋さの偉大さに感服しながら

そういう思いを味わわせてくれる宮﨑監督の存在と作品に改めて平伏、といった思いでした。

 

宮﨑監督はいつも私にスペシャルを与えてくれます。

本当にたくさんの彩りを私の人生に加えてくださり、感謝、感謝です。

大好きです。